謎解きの紙は、読み物ではありません。 解答者は、その紙に書き込みます

余白は「何もない場所」ではなく、 書き込みのために確保する場所です。

均等な余白と、情報のまとまりに合わせた余白の比較

見出しと説明は近づけ、次のグループまでは広く空けます。すべてを同じ間隔にすると、どこまでが一組なのかを視線だけで判断しにくくなります。

書き込む量を見積もる

自分の謎を、実際に鉛筆で解いてみます。 そのとき何を書いたかを数えます。

  • 絵の名前をひらがなで書き出した(4 語 × 4 文字)
  • 拾った文字を並べた(4 文字)
  • 並べ替えを 2 通り試した(8 文字)

これで 28 文字ぶんの書き込みが発生しています。 その場所が紙面にあるかを確かめます。

足りないと、解答者は紙の端や裏に書きます。 裏に書かれると、表と照らし合わせながら解くことになり、 それだけで難易度が上がります。

文字数だけでなく、書き直しも見込みます。4 文字の答えなら 4 マスぴったりではなく、 候補を 2 通り書けるメモ欄を近くに置きます。消しゴムを使う紙では、 細い罫線や薄すぎる印刷が消し跡で見えなくならないかも確かめます。

書き込み場所を明示する

余白があっても、書いてよいか分からないと使われません。

  • 罫線を薄く引く
  • 「メモ」と小さく書く
  • 枠で囲む

囲みが 1 つあるだけで、書き込みの量が増えます。 書き込みが増えると、解答者は考えを外に出せるので、正答率が上がります。

反対に、飾りの枠と記入欄の枠が同じ見た目だと、どこへ書くか迷います。 記入欄だけ角を丸くする、鉛筆の小さな印を付けるなど、役割が見た目で分かるようにします。

解答欄はいちばん下に置かない

紙のいちばん下に解答欄を置くと、 机の縁と重なって書きにくくなります。

下端から 15mm 以上は空けます。 これは印刷の余白としても必要な寸法です。

15mm は出発点です。家庭用プリンタの印刷可能範囲や、冊子を綴じる位置によっては さらに必要になります。使用する機器の仕様と、完成後の綴じ方を優先してください。

視線の順路を作る

余白は、視線を運ぶ道でもあります。

要素と要素のあいだの空きが均等だと、 どれから読むべきか分かりません。

  • 関係のあるものは近づける
  • 関係のないものは離す
  • 順番があるなら、空きの量で段落を作る

「近いものは仲間」というのは、 説明しなくても伝わる数少ない約束のひとつです。

拾う順番の話は 読み違えられない文字組みにも書いています。

折り目を避ける

封筒に入れる謎は、折られます。

A4 を三つ折りにすると、 上から 99mm と 198mm あたりに折り目が来ます。

この線の上に、 拾わせる文字や解答欄を置かないようにします。

折り目の上の文字は、 影ができて読みにくくなり、 書き込むとペンが引っかかります。

三つ折りは重なり方によって各面の幅を少し変える場合があります。 定規上の計算だけでなく、不要な紙を実際に折り、本番データの上へ重ねて位置を写します。

A4一枚の仮配置

最初から細かく整えず、紙面を大きな領域に分けます。

領域置くもの確認すること
上部題名・最初の指示何を始めるかすぐ分かる
中央問題の図や材料手で隠れず見比べられる
図の近く計算・候補のメモ視線を大きく移動しない
下部より少し上解答欄机の縁に重ならない

右利きと左利きの両方で紙へ手を置き、重要な情報が隠れないか見ます。 難しければ、問題の左右どちらか一方へ情報を寄せすぎない配置にします。

余白と情報量のバランス

紙面が詰まっていると、それだけで難しそうに見えます。 実際には、詰まっているのは難易度ではなく圧迫感です。

詰まり具合与える印象
すかすか簡単そう、物足りない
ほどよい取りかかりやすい
詰まっている難しそう、後回しにされる

配布物の 1 問目は、すかすか寄りにします。 最初の 1 問が取りかかりやすいと、そのまま先へ進んでもらえます。

要素を減らす順番

余白が足りないとき、削る順番を決めておくと迷いません。

  1. 装飾(枠、飾り罫)
  2. 物語の文章(短くする)
  3. 説明の重複(同じことを 2 か所に書いていないか)
  4. ギミックそのもの(最後の手段)

3 番目が意外と効きます。 「数え方」の説明を紙面のあちこちに書いていることがあります。 1 か所にまとめれば、それだけで余白が生まれます。

実寸で確かめる

画面上の縮小表示では、余白の量を見誤ります。

必ず原寸で印刷して、鉛筆を持って解きます。 そのとき、手が紙のどこに置かれるかも見ておきます。

右利きの人は、書くとき右下に手を置きます。 その位置に読ませたい情報があると、手で隠れます。

点検リスト

  • 書き込む量を数えて、その場所があるか
  • 書き込んでよいと分かる印があるか
  • 解答欄が下端から 15mm 以上離れているか
  • 折り目に拾わせる文字が乗っていないか
  • 1 問目がすかすか寄りになっているか
  • 原寸で印刷して、鉛筆で解いたか

最後の 1 つだけでも、かなりの数が見つかります。

テスト後は、書き込みが実際に残った場所を写真かコピーで記録します。 想定外の余白にメモが集中していたら、次の版ではその場所を正式な記入欄に変えます。