謎の難易度は、感覚で上げ下げすると必ずぶれます。 「もう少し難しく」と言われて何を触ればいいのか、 つまみを分けて持っておくと迷いません。

難易度は 2 種類ある

まず分けておきたいのが、この 2 つです。

  • 気づきの難易度:何をすればいいかに気づけるか
  • 作業の難易度:気づいたあと、手を動かす量が多いか

この 2 つは別物です。 気づきが難しくて作業が軽い謎は、解けたときに気持ちがいい。 気づきが簡単で作業が重い謎は、ただ面倒なだけになります。

難易度を上げるときは、気づきのほうを上げるのが基本です。

つまみ 1:ヒントの明示度

同じギミックでも、示し方で大きく変わります。

示し方難易度
「1 文字目を読め」と書くいちばんやさしい
1 文字目に印を付けるやさしい
印は付けず、並びだけ揃えるふつう
何も示さない難しい

いちばん外しやすいのは、いちばん下だけを使ってしまうことです。 初心者向けなら、上から 2 番目あたりが心地よい位置になります。

つまみ 2:候補の数

答えの候補が何個あるかは、そのまま難易度になります。

「4 文字の食べ物」だけなら候補が多すぎて、絞りようがありません。 「4 文字の食べ物で、2 文字目が『ん』」まで来ると、手で数えられる数になります。

作っているとき、いま何個に絞れているかは意識しておく価値があります。

候補が 30 個を超えると、多くの人は総当たりをやめます。 10 個前後まで落ちると、書き出して確かめる気になります。

つまみ 3:ギミックの段数

1 つの謎に仕掛けをいくつ重ねるか。

  • 1 段:文字を拾う
  • 2 段:文字を拾って、並べ替える
  • 3 段:文字を拾って、並べ替えて、濁点を足す

段数が増えるほど難しくなりますが、 途中で合っているか分からないという別の問題が出ます。

2 段以上にするときは、途中で「合っていそう」という手応えが出る作りにします。 たとえば 1 段目の結果が意味のあることばになっていれば、 解答者はそこで一度安心して次に進めます。

つまみ 4:使うことばの身近さ

答えが「りんご」なのか「ざくろ」なのかで、体感はかなり変わります。

思いつきやすさは、そのまま難易度です。 辞書に載っていることばでも、日常で使わないものは候補として浮かびません。

ことばこーぼーでは「一般的なことばのみ」で絞り込めるようにしています。 やさしくしたいときは、この絞り込みを入れたまま候補を選びます。

つまみ 5:解答欄の形

意外に効くのが、答えを書く欄です。

  • マス目が 4 つある → 4 文字だと分かる
  • 罫線だけ → 文字数が分からない
  • 欄がない → 何を答えるかも分からない

上から順にやさしくなります。 難しくしたいとき、ギミックを凝る前にここを触ると、 謎そのものを壊さずに手応えを上げられます。

つまみ 6:関係ない情報の量

余計な要素が多いほど、どれが手がかりか分かりにくくなります。

ただしこれは気づきの難易度ではなく、探す作業の難易度を上げます。 やりすぎると、面白くなく難しいだけの謎になります。

紙面に置く要素は、 「答えに効くもの」「雰囲気を作るもの」の 2 種類に分けて、 後者が前者を隠していないかを見ます。

つまみ 7:時間制限

イベントで使うなら、制限時間そのものがつまみになります。

同じ謎でも、5 分と 15 分ではまったく別のものになります。 紙を変えずに難易度を動かせる唯一の方法なので、 現場での調整用に残しておくと便利です。

上げ方・下げ方の早見表

したいこと触るつまみ
もっと難しく(面白いまま)ヒントの明示度、ギミックの段数
もっと難しく(手っ取り早く)解答欄の形、時間制限
もっとやさしく候補の数、ことばの身近さ
難易度はそのまま、手応えを増やす途中で意味のあることばが出るようにする

迷ったら簡単にする

作り手は、自分の謎を必ず簡単に見積もります。 答えを知っているからです。

テストプレイで「ちょうどよかった」と言われる謎は、 たいてい作者が「簡単すぎるかも」と思っていたものです。

迷ったら 1 段やさしくしておくほうが、外れが小さくて済みます。 別解が出そうで不安なときは、 別解のつぶし方の点検も合わせてどうぞ。