一枚謎は「1 つの気づき」で完結します。 持ち帰り謎は、そこに順番まとまりが加わります。

紙が増えると難しくなるのは、謎そのものではなく構成のほうです。

全体の形をひとつ決める

いちばん多い形は、これです。

  1. 小謎を数問解く
  2. 小謎の答えを材料にして、大謎を解く
  3. 大謎の答えが、物語の結論になる

この形が定番なのは、解答者が自分の進み具合を測れるからです。 小謎が 5 問あって 3 問解けていれば、あと 2 問だと分かります。

先に全体の形を決めてから中身を作ると、迷いが減ります。

小謎の数を決める

封筒 1 通なら、小謎 4〜6 問が扱いやすい範囲です。

小謎の数想定時間向いている場面
3 問15〜20 分配布用のおまけ、体験版
5 問30〜45 分標準的な持ち帰り謎
8 問以上60 分以上腰を据えて遊ぶ商品

数を増やすほど、途中で飽きられる危険が上がります。 増やすなら、途中で解き方の種類を変えます。

小謎の種類をばらす

同じ種類の謎が続くと、単調になります。 5 問なら、少なくとも 3 種類に散らします。

  • 文字を拾う
  • 文字を変える(濁点、並べ替え)
  • 絵や図から読み取る
  • 計算・数える
  • 折る、重ねるなど紙を使う

種類をばらすと、得意・不得意の違う人が同じ封筒で遊べます。 これは複数人で解く前提の持ち帰り謎では、そのまま体験の質になります。

大謎で小謎の答えをどう使うか

ここが持ち帰り謎の心臓です。よく使われるのは 3 通り。

その 1:並べて読む 小謎の答えの頭文字を、指定の順に並べるとことばになる。 いちばん素直で、いちばん外しにくい形です。

その 2:対応させる 小謎の答えを、大謎の紙の何かに当てはめる。 「答えの文字数だけマスを進む」「答えの 1 文字目の位置を塗る」など。

その 3:答えそのものが道具になる 小謎の答えが数字で、それが金庫の暗証番号になっている、といった形。

その 1 は作りやすいぶん、読まれやすくもあります。 慣れてきたら、その 2 を混ぜると手触りが変わります。

並べて読ませるときの注意

答えの頭文字を並べる形では、 小謎の答えの 1 文字目を自分でそろえる必要があります。

「答えの頭文字を並べると『たからばこ』になる」ようにしたいなら、 「た」「か」「ら」「ば」「こ」で始まることばを、 それぞれの小謎の答えとして用意しなければなりません。

先に大謎を決めて、そこから小謎の答えを引く。 この順で作ると、あとから帳尻を合わせずに済みます。

詰まったときの逃げ道を作る

持ち帰り謎は、その場に進行役がいません。 1 問詰まると、そこで終わってしまいます。

  • ヒントを段階で用意する(「どこを見るか」→「何をするか」→「答え」)
  • 小謎の答えを別紙で確認できるようにする
  • 大謎に、小謎が 1 問欠けても解ける余地を残す

3 番目は賛否がありますが、 「5 問中 4 問分かれば大謎の見当がつく」設計は、遊びやすさが上がります。

封入物を決める

紙以外を入れるかは、コストと体験のバランスで決めます。

封入物効果手間
紙だけ印刷と封入が軽い
半透明のシート重ねる仕掛けが使える
小さなカード類並べ替えが手で行える
立体物驚きが大きい

部数が増えるほど、封入の手間は効いてきます。 100 部を手作業で詰めると、封入物 1 種類あたり数時間かかります。

順番の指示を紙に書く

意外と抜けるのがこれです。

「まず小謎を解いてください」「解き終わったら大きい紙を開いてください」。 当たり前に見えることほど、書いておかないと事故になります。

封筒を開けた人が最初に目にする紙に、 この封筒で何をするかを 3 行で書いておきます。

作る順番

まとめると、この順が手戻りが少ないです。

  1. 全体の形(小謎 → 大謎)を決める
  2. 大謎の答えと、使い方を決める
  3. 小謎の答えを、大謎から逆算して決める
  4. 小謎のギミックを作る
  5. ヒントを書く
  6. 順番の指示を書く
  7. テストプレイ

3 と 4 を逆にすると、ほぼ確実に作り直しが発生します。 面白い小謎ができても、答えが大謎に合わなければ捨てることになるからです。

一枚謎の作り方そのものは、 一枚謎のつくり方にまとめています。