五十音表は、日本語の謎解きで唯一といっていい共有された座標です。
「あ」から数えて 3 つ目、と言えば誰にでも同じ場所が伝わります。 この性質が、そのまま仕掛けになります。
型 1:段をずらす
「あ→い→う→え→お」と、横方向にずらします。
- 「かき」を 1 つずらすと「きく」
- 「たこ」を 1 つずらすと「ちさ」…ではなく「ちさ」
ここで気づいてほしいのは、 ずらした結果がことばになるとは限らないことです。
謎として使うには、ずらす前とずらしたあとの両方が 意味のあることばになっている組を探す必要があります。
ずらして探すでは、 ずらす数を入れると、辞書全体から 「ずらすと別のことばになる」組をまとめて集められます。
型 2:行をずらす
「あ→か→さ→た→な」と、縦方向にずらします。
段ずらしより気づかれにくく、 そのぶん一段難しい謎になります。
行は 10 個あるので、ずらす数の幅も広く取れます。
型 3:文字ごとにずらす数を変える
1 文字目は 1、2 文字目は 0、3 文字目は 2、というように、 文字ごとに違う数だけずらします。
ずらす数の並び(1, 0, 2)自体が、 別の謎の答えになっている——という二段構えが作れます。
数字を文字に変える手段として、これはかなり使い勝手がよい型です。
型 4:位置を数字にする
逆向きです。文字を五十音表の座標に変えます。
「か」は 2 行目 1 段目なので「21」。 このやり方で、ことばを数字の列にできます。
暗証番号、日付、順番。 数字を出したい場面で、説明の短い変換手段になります。
注意:行と段のどちらを先に書くかは決まっていません。 「21」が「か」なのか「い」なのか、紙面で示す必要があります。
型 5:同じ行・同じ段だけを使う
「かきくけこ」のように、すべての文字が同じ行にあることば。 「あかさたな」のように、すべての文字が同じ段にあることば。
こういうことばを集めて並べると、 表を重ねたときに一直線になります。
かたちの性質で探すから、 同じ行・同じ段だけでできたことばを集められます。
端の扱いを決める
五十音表の謎で、いちばん事故が起きるところです。
| 状況 | 決めること |
|---|---|
| 「お」を 1 つずらす | 「あ」に戻るか、そこで止まるか |
| 「わ」行から 1 つずらす | 「あ」行に戻るか |
| 濁点のある文字 | 清音として扱うか、別の文字とするか |
| 「ん」「ー」「っ」 | ずらすか、そのまま残すか |
ことばこーぼーのずらし検索では、 端は反対側へ回り込み、濁点・半濁点は清音として扱い、 表にない「ん」「ー」はずらさずそのまま残しています。
謎として出すときは、表そのものを紙面に載せるのが確実です。 載せてしまえば、端がどうつながっているかを絵で示せます。
表を載せるかどうか
| 載せる | 載せない |
|---|---|
| ルールの説明が要らない | 紙面が広く使える |
| 端の扱いを図で示せる | 「表を使う」ことに気づく段階が作れる |
| 難易度が下がる | 難易度が上がる |
初心者向けなら載せる、慣れた人向けなら載せない。 迷ったら載せておくほうが、事故が少なくて済みます。
載せるときは、濁音・半濁音の行も入れるかを決めます。 入れないなら、「濁点は清音として見る」と一行添えます。
組み合わせの例
五十音表は他のギミックと重ねやすい素材です。
- 小謎の答えを表の座標に変換 → 数字が出る → 金庫の番号
- 文字を 1 つずらすと、別のことばになる → そのことばが答え
- 同じ行の文字だけを拾う → 拾った文字を並べる
いちばん上の形は、持ち帰り謎の大謎でよく使われます。 持ち帰り謎の組み立てで触れた 「答えそのものが道具になる」型の代表です。