同じ文字を使って、並び順だけを変える。 アナグラムは謎解きの定番ですが、実際に作ろうとすると手が止まります。
「ちょうどよく別のことばになる」組み合わせが、そもそも少ないからです。
作りやすい文字数
経験的に、この範囲が扱いやすいところです。
| 文字数 | 作りやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| 2 文字 | かんたん | 組が多いが、面白みが出にくい |
| 3 文字 | ちょうどよい | いちばん使いやすい |
| 4 文字 | やや難しい | 見つかると気持ちがよい |
| 5 文字以上 | 難しい | 偶然に頼ることになる |
3 文字は「とけい/けいと」のように、 どちらも身近なことばになる組が見つかります。
5 文字を超えると、機械で探しても数が減ります。 長いものを使いたいときは、 並べ替えの範囲を一部に限る(前 3 文字だけ入れ替える、など)と扱えます。
探し方
手で総当たりすると、3 文字でも 6 通り、4 文字で 24 通りです。 辞書を引いたほうが速く、抜けもありません。
並べ替えて探すでは、 手元の文字を入れて、その並べ替えでできることばを出せます。
「文字が余ってもよい」に切り替えると、 書いた文字の中から選んでできる短いことばも出ます。 手札から使えるものを探すときは、こちらが便利です。
別解を減らす置き方
アナグラムは、答えが 2 つ以上あることが珍しくありません。 「かるた」を並べ替えると「たるか」「らかた」…と、 辞書に載っているものが複数出ることがあります。
減らし方は 3 つです。
その 1:ほかの条件と重ねる 「並べ替えると 4 文字になる」「並べ替えても身近なことばになる」。 文字数や「一般的なことばのみ」を足すと、たいてい 1 つに落ちます。
その 2:解答欄の形で示す 答えの文字数が決まっているなら、マス目で示します。 並べ替え先が複数あっても、文字数が違えば絞れます。
その 3:文脈で示す 物語や絵の中に置くと、答えの方向が決まります。 「台所の絵の横にある」なら、食べ物のほうを選びます。
「入れ替える」を見せる方法
並べ替えだと気づかせる工夫も要ります。
- 文字をカードにして、動かせるようにする
- マスの中に文字をばらばらに置く
- 矢印で位置の交換を示す
- 「並べかえ」ということばを、どこかに小さく置く
カードにするのがいちばん確実です。 手で動かせると、解答者は自然に並べ替えを試します。
紙の上だけでやるなら、 文字を等間隔で、意味のない順に並べるのが合図になります。 ことばとして読めそうな並びにすると、そのまま読まれてしまいます。
応用:2 つのことばを行き来する
「AをBに並べ替える」ではなく、 「AとBは同じ文字でできている」という形にすると、 気づきが 1 段深くなります。
- 絵が 2 つ並んでいる
- 名前を書き出すと、同じ文字が使われている
- そのことに気づくのが、この謎の山
この形では、答えは別のところに用意します。 「同じ文字でできている組を見つけて、その組だけ丸を付ける」といった使い方です。
部分アナグラム
すべての文字を使わなくてもよい形です。
「あいうえお」の中から選んで作れることば、という出し方は、 候補が多くなるぶん、やさしい謎になります。
小謎の 1 問目や、体験版の導入に向いています。
濁点をどう扱うか
ここは決めておかないと、必ずもめます。
- 「かき」を並べ替えて「きが」——濁点は付けてよいか
- 「がき」と「かぎ」は、同じ文字の並べ替えか
厳しく作るなら、濁点も文字の一部として扱います。 「が」と「か」は別の文字です。この扱いのほうが説明が要りません。
濁点を足してよい形にするなら、 それは並べ替えではなく「並べ替え+濁点」の二段ギミックです。 段が増えるぶん、途中で手応えが出る作りにします。
まとめ
| やりたいこと | やり方 |
|---|---|
| 材料を探す | 並べ替えて探すに文字を入れる |
| 別解を減らす | 文字数の条件を足す、解答欄で文字数を示す |
| 並べ替えだと気づかせる | カードにする、等間隔に並べる |
| 難しくする | 2 つのことばの関係にする |
| やさしくする | 部分アナグラムにする |
3 文字で 1 組見つけて、それを核に紙面を作る。 この順が、いちばん手戻りが少ない進め方です。